家や土地を購入するとき、目に見える部分はしっかり確認をしますが、めったに地中まで気にすることはないと思います。理想の家を建てるために土地を購入し、工事に着手したら埋設物が見つかって、工事が中断してしまった・・・なんてことにもなりかねません。見えないからこそ、のちのトラブルにならないよう、目配りする必要があるのかもしれません。第17回に引き続き、土地調査シリーズ第2弾ということで今回は地中埋設物についてご紹介します。
地中埋設物調査とは?
土の中に人為的に埋められたものがあるか・ないかを調査します。
住宅が適切に建築できることを念頭に0.8m~2mくらいの深さで調査をします。調査の目的によって調査の深さが変わります。例えば「3mくらいまで廃棄物を埋めた」「4mくらい下に昔の建築物基礎が残っているかもしれない」などの場合は、懸念される深さまで調査をします。事前に土地について情報収集しておくと、スムーズに調査を行うことができます。
過去の調査では2mくらいの深さから埋設物(コンクリートや基礎)が出てきたことがあります。
地中埋設物調査はどんな時に必要?
- 更地で土地売買をする
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所有権を移転する際にその土地の品質状況を知るため
契約不適合責任に問われないように事前確認をするため
- 更地で住宅を建築する
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基礎や杭がきちんと打てるか確認するため
土地をどのような目的で利用するかによって調査が必要・不要なケースがあります。依頼者様の意向を確認し、ご相談いただくことをお勧めします。
調査方法と時間
調査方法
スクリューウェイト貫入試験/地中探査ドリル/重機による掘削 など調査技術を熟知し、知識と経験のある技術者が調査を行います。
調査時間
宅地であれば半日ほど※土地の大きさによって数日かかることもあります。
調査方法については、目的・リスク・地盤状態などに応じて対応します。
調査は更地で行うことを前提としているので、建物がある場合、建物の範囲は調査できません。解体後にしっかりと確認してもらうのが良いです。
地中埋設物がわかったときに、
どのような対処・改良を行いますか?
建築や売買の前にあらかじめ「掘削除去」を行います
埋設物は障害になるため、掘り出して新しい土を埋めて対処をします。
ただし、地中埋設物があっても、必ず除去するのではなく、残置したまま、新しい家を建てることもあります。どのような対処・改良をするかについては、しっかりと関係者同士で話し合いをすることをお勧めします。
- 地中埋設物調査を行うメリット
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- ① 土地売買におけるトラブル回避
- 契約不適合責任は土地にも及びます。埋設物はないと思っていたけれど、買主が家を建てるために掘ってみたら出てきてしまった、となれば売主責任に問われてしまうこともあります。目に見えないところだからこそ、事前に行うことで、契約不適合責任で訴求されるトラブルを防ぐことができます。
- ② 無駄な時間と費用を抑えられる
- いざ家を建てようと動き出した矢先、埋設物が発見されたことで、工事中止や撤去費用出費という、予想していなかったトラブルに見舞われることがあるかもしれません。
そういったことを防ぐためにも、事前に調査しておくと安心です。
アドバイス
「昔はどんな土地だったか?」「埋立はしてないか?」など地歴を確認した上で調査を行います。そのため、売主や買主が知っている土地情報があれば教えてもらえると参考にすることができますので正確に調査できます。
地中埋設物ついて困っていることや不安、解決したいがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
(インタビューのご協力:
UGRコーポレーション株式会社様)